外陰部や膣の入り口、お尻にできて違和感や痒み、痛みなどの症状を引き起こす性器ヘルペス。
ネット上には「一生治らない」「人生終わり」など不安を煽るような情報が多くありますが「知れば怖くない」ので安心して最後まで読んでいただけると幸いです。
ヘルペスってどういうもの?

ヘルペスとは、ヘルペスウイルス属のウイルスによって引き起こされる感染症のこと。
主に口唇ヘルペスと性器ヘルペスの2つのタイプがあります。
- 口唇ヘルペス:
🔳主にHSV-1(単純ヘルペスウイルス1型)によって引き起こされ、口周りに水ぶくれや潰瘍ができます。
🔳感染は主に接触や唾液を通じて行われます。
🔳症状が出る前に、かゆみや痛み、チクチクする感じがすることがあります。 - 性器ヘルペス:
🔳主にHSV-2(単純ヘルペスウイルス2型)によって引き起こされ、性器やその周辺に水ぶくれや潰瘍ができます。
🔳性行為を通じて感染しますが、HSV-1も性器に感染することがあります。
🔳初感染時には、強い痛みや不快感を伴うことが多く、再発時は症状が軽くなることが一般的です。
ヘルペスウイルスは感染後、神経細胞に潜伏します。その為治療して治ったと思っても再発することがあります。再発の原因はストレス、病気、ホルモンの変化などが多いです。
性器ヘルペスについて
実は性器ヘルペスに感染していても気づいていない人はかなり多くいて、たまたま免疫力が下がったタイミングで症状が出て自分が感染していたんだと気づく人もいれば感染していても一生気づかない人もいるみたいです。
だから症状が出て気づくことができた人は全然落ち込む必要はありません。誰かに感染させないように気を付ければいいだけ。
性器ヘルペスの症状
- 外陰部や膣周辺の痛みやかゆみ: 性器ヘルペスの初期症状として、外陰部や膣周辺に痛みやかゆみを感じることがあります。
- 水ぶくれや潰瘍: 痛みを伴う水ぶくれや潰瘍が性器周辺に現れることがあります。これらは破れると潰瘍になります。
- 排尿時の痛み: 排尿時に痛みを感じることがあり、特に潰瘍がある場合は強い痛みを伴うことがあります。
- リンパ節の腫れ: 足の付け根のリンパ節が腫れることがあります。
- 全身症状: 発熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感など、風邪のような全身症状が現れることもあります。
※この全ての症状が必ず出るわけではなく、人によっても程度が異なります。
初めて感染した場合は症状が特に強く出ることが多く、排尿時の痛みや全身の倦怠感を感じることもあります。再発時は、症状が軽くなることが一般的です。
婦人科に行く基準
この記事を読んでいてちょっと外陰部や膣周辺に違和感があるな、と感じているならば早めに医師に相談することをおすすめします。
私の場合、初めての感染でしたが椅子に座った時にちょっと違和感がある、少し膣周りが痒い感じがする…というぐらいでしたが婦人科で診てもらったところヘルペスに感染していると言われました。
自然治癒することもあるのですが自然に治るまでには数週間から1か月ほどかかり、それまで誰かに感染しないように気を配る必要があります。また、ヘルペスウイルスは一度なってしまうと再発することがあるものですが抗ウイルス薬を使って治すことで再発の頻度を減らすことができます。
初期対応の早さが今後の再発リスクを減らすためには重要なポイントです。
診断方法と治療法
現在自分が感じている症状を伝えて陰部を診てもらうだけのほんの一瞬で診断してもらえます。痛いことは何もないですし一瞬なので恥ずかしいことも何もないです。
治療法は飲み薬と塗り薬を処方してもらうことで、それを10日間続ければ大体の方が治るようです。私自身も10日もしないうちに症状が改善し、10日後婦人科で診てもらった時にはきれいさっぱり治っておりました。

因みに性器ヘルペスの市販薬はありません。
早く治したい!再発リスクを減らしたい!と思うなら早めに婦人科を受診するしかありません。
日常生活で気をつけるべきこと
①性行為の回避
症状が出ている間は感染リスクが高まります。パートナーとの性行為は相手の為を思って避けるようにしましょう。
②衛生管理
お風呂では患部を優しく洗い、清潔な状態を保ちましょう。※この時、石鹸を付けたり膣の中まで洗うことは絶対にしないでください。見える部分をぬるま湯で優しく洗う程度で十分です。
また、患部に触れた手は必ず石鹸できれいに洗いましょう。患部に触れた手で他の部位に触れることでその部位へ感染する恐れがあります。
③ストレスの管理
ストレスがヘルペスの再発リスクを高めます。日ごろからストレスをため込まないように適度な運動やリラックスできる時間をとれるように工夫しましょう。
④ライフスタイルの見直し
バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけ、免疫力を高めることが重要です。
家族と同じお風呂に入って大丈夫?
性器ヘルペスのウイルスは主に接触を通じて感染しますが、日常の活動(例:同じ風呂に入る、トイレを共用する、タオルや食器を共有するなど)を通じて感染するリスクは非常に低いです。
ただし、感染部位に直接触れた手で他の人の皮膚や粘膜に触れることを避けるため、以下の点に注意することが大切です
- 個別のタオルを使用する: 感染部位に触れたタオルは他の家族と共有しないようにする。
- 清潔を保つ: 手を頻繁に洗い、感染部位に触れた後は必ず手を洗う。
- 症状が出ている間は注意する: 症状が出ている間は特に注意し、家族と接触する際には細心の注意を払う。
これらの対策を心がければ、家族と同じお風呂に入っても大丈夫です。
性行為をする際の注意点

①症状が出ている間は避ける
ヘルペスの症状が出ている間(例えば、水ぶくれや潰瘍があるとき)は、感染のリスクが高いため、性行為を避けましょう。
②コンドームの使用
性行為の際にはコンドームを使用することで、感染リスクを減らすことができます。ただし、コンドームは完全に感染を防ぐわけではなく、感染部位がコンドームで覆われていない場合はリスクが残ります。その為やはり症状が出ている間は性行為を避ける必要があります。
③体調の悪い時は避ける
自分や相手の体調が悪い時、免疫力が低下し再発リスクや感染リスクが高まるので体調が思わしくない時はお互いに「今日はやめておこう」と言える関係でいることが大切です。
ポイント
「症状が出ていない+コンドームを使用する+お互いのコンディションを整える」でかなりリスクを最小限に抑えることができます。私はいままで再発したこともないし、パートナーが感染したこともありません。
最も重要なこと:パートナーとのコミュニケーション
性器ヘルペスについてパートナーに正直に話し、感染予防について一緒に考えることが大切です。
私自身、パートナーに伝える際にはかなり勇気が必要でした。なぜならネットには感染者が怖くなるようなことや否定的な意見が見られて自分が当事者だとその部分が目立って見えてしまうから。
知識のある相手の場合、「そうなんだ。なら感染予防をちゃんとしよう」ぐらいなのですが知識がないと「感染する」と聞いてドキッとしてしまうことは自分が逆の立場だと考えると想像できるでしょう。
だからその場合は怖がらせるように作られた動画やネットの記事を見せるのではなく、一緒に婦人科に行って話を聞いてもらったりあなた自身がしっかり感染予防の為にできることを理解してそれを伝えることでパートナーの不安は解消されるでしょう。
もしもそれでも「別れよう」となる場合、相手は悪くない。しかし、受け入れて関係を続けていくカップルが多くあるように受け入れて一緒に対策を考えてくれる人は大勢います。何なら私とパートナーとの関係はその話からより一層仲が深まったと思っています。
あまり悲観的にならず、不安を一人で抱えずにしっかりとパートナーと話し合いましょう。